ジョルジュ・サンド(坂本千代著)

『ジョルジュ・サンド』坂本千代(清水書院、「人と思想」シリーズ141、1997年刊)

  ジョルジュ・サンドの生涯とおもな作品を紹介しつつ、それらの現代的な意味について考えている。全体は4部からなっていて、第1部でオーロール・デュ ドヴァンがジョルジュ・サンドとなるまでを解説したあと、第2部では1837年頃までの彼女の生活と作品を扱っている。特にここではサンドの有名な男装に ついて考察している。第3部では二月革命頃までのサンドと彼女を取り巻く人々、音楽家リストや女性作家ダニエル・ステルンとの交流、当時の女権運動家たち とサンドの女性論の相違に注目している。第4部はサンドの晩年の作品および劇作を分析するとともに、「ロマン派世代として」「女流作家として」そして「フ ランス文学の作家として」の彼女を考察したあと、最後に日本におけるサンドの作品の翻訳と受け入れの歴史を概観している。(文責 坂本千代)