ジョルジュ・サンド(ブシャルドー)

『ジョルジュ・サンド』ユゲット・ブシャルドー、北代美和子訳(河出書房新社、1991年刊)

  副題は「木靴をはいて月をとろうとした夢想家」。序文で著者は次のように述べている。「私はジョルジュ・サンドとなったオーロール・デュパンの人生か ら八つの日付を選び出し、並べることで、彼女を発見しようと努め、私独自のやり方でその概要を書いてみようと思った。ちょうど水に小石を投げこんだときの ように、私はこの八つの日付のまわりに、しだいに外へと広がってゆく輪を描きたいと思った。その輪こそが、ひとつの生涯の緯糸を構成しているのである。」 八つの日付は1821年9月17日(オーロール17歳)、28年1月22日(23歳)、35年4月15日(30歳)、42年6月6日(37歳)、48年8 月23日(44歳)、58年6月1日(53歳)、67年10月4日(63歳)、72年12月1日(68歳)である。著者ブシャルドーは大学で教育学を教え るとともに組合活動等をつうじて政治にかかわり、環境問題担当大臣をつとめたこともある女性で、本書のほか小説やフェミニズムにかんする著作を発表してい る。(文責 坂本千代)