人生の決算書

 年末になって、そろそろ今年1年の決算や確定申告のことを考え始めています。そして、ふと「人生の総決算」という表現を思い浮かべてしまいました。

 最近『ロビンソン・クルーソー』を読み返しているのですが、ロビンソンが実に数字や帳簿が好きなことに驚かされます。もともと彼の父は商人だったのですから当たり前といえば当たり前かもしれませんが。無人島に漂着して苦労している時でさえ、彼は帳簿の借方と貸方のように公平に、自分のうけている幸せと忍んでいる不幸せを書き出しているのです。しかし彼は物語の最後まで生きているので、その生涯の総決算をおこなうことはできません。それに比べて『ロビンソン・クルーソー 第2部』(岩波文庫『ロビンソン・クルーソー』下巻)で死んでしまうフライデーの場合はどうでしょうか。カリブの原住民として生まれ、20代半ばでロビンソンの従僕となって孤島で暮らし、ロビンソンが島を脱出すると彼に同行してイングランドに渡ります。そののちロビンソンが再び冒険に乗り出す時もいっしょです。そして、彼らの船がカリブの原住民に襲われた際に交渉役をしている時に殺されてしまいました。あの世で彼が自分の人生の決算書を作成したらどのようなものになるかとても興味をそそられます。

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