食べ物をめぐって

 体調不良が続いています。逆流性食道炎で、食べるものが大幅に制限され、食欲もあまりありません。でも、今まですっかり忘れていた食べ物に関する思い出がなぜかたびたび蘇るようになりました。東京での学生時代は食べることにそれほど興味はなく、1日3食を学食ですませたり、栄養失調になりかけたこともありました。その後フランスに留学した時は女子寮暮らしでしたが、それでも、食にこだわるフランス人の熱意に多少影響を受けたようです。でも、最近思い出すのはアメリカの田舎、アーカンソー大学の寮で暮らしていた時の夕食。メニューは毎日変わりましたが、時々ハンバーガー(自分で中身を選んではさむ)が出ると、学生たちが大喜びしていた姿が目に浮かびます。

 夕食の食べられる時間帯は確か17-19時くらいで、宵っ張りの学生にはちょっと早すぎる時間帯でした(チョコレートやポテトチップスなどジャンクフードやコーラなどは自動販売機でいつでも買えましたが)。ですので、時々夜遅くに寮の部屋から友人たちといっしょにピザの配達を頼むことがありました。数件ある宅配ピザのどの店に頼むかはアメリカ人たちにはこだわりがあるらしく、各自がピザにかんする「うんちく」をもっともらしく述べるのがいつも面白かったのを覚えています。

 なんとなくバカにしていたハンバーガー、宅配ピザ、コーラなどを私がおいしいと思うようになったのはその頃です。数十年後の現在、ハンバーガーやコーラはあまり欲しいとは思いませんが、ピザだけはスーパーマーケットで冷凍のものを買ったりして時々食べていました。それが今の食事制限で食べられないのはかなりつらいです。

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